2021/9/20 9002M 国鉄型観光急行1号 413系・455系W1編成
EOS-1DX EF24-105mm F4L IS II USM
6月から7月にかけての梅雨が明けると、8月は夏本番。少しは涼しくなる9月を迎えると、今度は秋雨前線がやってくる…。ニッポンの夏はおおむねこういう風に推移していると思うのだが、期間を通じて雨が降っているか暑くて人混みが激しいかの二択であり、この業界的にはあまり具合がよろしくない。
仕事柄お盆休みというものはないのだが、その代わりに休み時期はある程度自由に選ぶことができる。そうなるとわざわざ世間に合わせてお盆に休んで趣味活動に精を出す必要はない。しかし、7月に休もうが9月に休もうが結局は雨から逃れることはできないのであり、まるでお釈迦様の掌で弄ばれる孫悟空のようである。
今年の夏休みは7月にしようか、それとも9月がいいのか…迷った末に選ぶのは、稲も色づく9月が多い。5年前も夏休みは9月にいただき、羽越本線へ繰り出した。しかし折角の長期休みに直行するには新潟・山形県境はちと遠すぎる。遠征初日は行きがけの駄賃で当時現役だった越後線の115系を仕留め、続いてえちごトキめき鉄道の観光急行を狙って旧北陸本線へ移動した。
この辺りの撮影地として真っ先に思い浮かぶのが市振俯瞰だが、残念ながらギリギリあいの風とやま鉄道側であるためボツ。かつての有名撮影地である谷浜俯瞰は最近とんと写真を見かけないし、果たして撮れるのか…。迷った末、消去法でお手軽なたにはま公園俯瞰へアタックした。
たにはま公園とは言うものの、この公園の所在地は大字西戸野。有間川駅がある大字有間川に隣接する大字で、谷浜駅からはかなり離れている。それにもかかわらず公園が谷浜の名を冠するのは、かつてこの一帯が谷浜村に属していたからであろう。その谷浜村は明治の大合併で成立した村であり、合併前の村名は今も大字として残っている。谷浜駅は大字長浜(旧長浜村)にあるが、谷浜村の代表駅であることや駅名重複を考慮して谷浜の名を付けられたのだろう。そして遅れて谷浜村内に開業した有間川駅は谷浜を名乗るわけにいかないので、所在地である旧有間川村の名を冠したのではないだろうか。
明治の大合併により生まれた谷浜村は、昭和の大合併で直江津市へ編入されて消滅。由緒ある旧村名は先述の通り今も大字にその名を残しているが、合併由来の谷浜という地名は地図上から消え去ってしまい、駅名や施設名等にその名残が見られるのみである。いかにも最近整備されましたというピカピカのたにはま公園も谷浜村の記憶を受け継ぐ一員なのだと思うと、少しは親近感が湧こうというものだ。
さて、そのたにはま公園俯瞰だが、お手軽な割にロケーションは悪くない。丘の頂にゲバを据えると、有間川漁港の向こうに広がる日本海を一望できた。構図内は割とごちゃごちゃしているが、お目当ては3連という短編成ゆえに支障することはあるまい。あとはシャッターを切るだけである。
定時、MT54の懐かしいモーター音を奏でて交直流急行色がトンネルを飛び出してきた。直後のS字築堤を身を捩るように下りきると、そこはもう有間川の駅である。少し高い目線から乗客が鮮やかな日本海を脳裏に焼き付けているであろうその刹那、こちらも端正な国鉄メークの列車をカメラに焼き付けた。
