EOS-1DX3 EF500mm F4L IS USM ExtenderEF1.4×III
今年も大井川鐵道で賀正HMの先行装着が始まった。
以前から大井川は年末になるとクリスマストレインと銘打ってSLにHMを掲げて運行していたが、これは主に一般観光客向けの列車だろう。トーマスデビュー以後はSLにサンタ風コスプレ衣装を着せたりしてますます派手にやっているようだ。
そんなクリスマストレインとは対極にあるのが、かわね路号への賀正HM先行装着だ。新年の運行で装着するHMを旧年のうちにかわね路号へ掲出しておくからこれでも撮って年賀状の写真にでもしておけ、と大井川鐵道がそう言っているのである。百歩譲ってトーマスはまだしも、字面だけ正月っぽいHMがついた黒いSLの写真を年賀状に使うのは鉄道マニアだけであろうに大井川鐵道も律儀なものだ。
そんなただでさえマニアックなイベントを更にマニアックにしてしまったのが、2021年の賀正HM先行装着だった。当時稼働しているSLがトーマスのみであったため、EL急行として運行されていたかわね路号へHMを掲出したものだったと記憶している。鉄道マニアはともかく一般人はELというとがっかりするかもしれないが、元がマニア向けの企画だから問題はなかろう...と大井川鐵道は考えたのかもしれない。
だが、通常運行のELかわね路号にはこれ以前から川根温泉のよく分からないHMが装着されており、それがようやく外れたと思えば息をつく暇もなく賀正HMの掲出だ。マニアとしてはこれは困る。いや、むしろそれが狙いなのか。絶対にすっぴんを撮らせないという大井川の強い意志を感じてしまうが、真意はどこにあったのだろう。
まあそんな訳で多少の不満があることは事実だが、茶色の旧客3連(1両はパッチワークだが)という組成には誠意を感じたので101レは編成重視でサイド撃ち。返しの102レはせっかく時候のHMが付いてるのだからと面パンアングルと洒落込んだ。
ゴーヨンに1.4テレコンを付けてちょっと足りない分はトリミング。最終的に天地はパツパツになるが、構図はトリミングで追い込めるから気楽なものだ。
定時、くろがねの体に夕日を鈍く輝かせてE101が構図に滑り込んできた。AFフレームをHMの虎に合わせてAIサーボで追いかける。
E101のブロワー音を聞きながら液晶画面に映し出されたかわね路号を確認して一安心。どうやらこれで自分も年を越せそうだ。