南海21001Fパン上げ 新金谷

大井川鐵道

 

2024/7/8 南海21001Fパン上げ
EOS-1DX3 EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

 今年は大本営から梅雨入りが発表される前から愚図ついた天気が続き、電車稼業の方はおまんまの食い上げ。苦し紛れに曇りカットでも狙おうかと家の外に出てみたものの、この世のものとは思えない蒸し暑い外気に耐えられず即回れ右で屋内に逆戻りする日々が続いてしまった

 結局電車のためだけに外出する気にはなれず、1ヶ月ぶりにカメラを握ったのは野暮用で関東に出かけるついでに引っ掛けた大井川。スケジュールの制約から撮影できたのは午前中だけだったが、やって来たのは近鉄であった。残念!


 翌週も関東へ出かける用事があったので、性懲りもなく島田金谷で新東名から流出し新金谷駅へとハンドルを切る。この日は南海が運用入りするらしく、駅にはズームカーが据え付けられていた。

 狙いは冬場だと日の出前となるパン上げである。実は”未明のパン上げいとおかし”と冬にも挑戦していたのだが、周りは真っ暗で乗務員氏も懐中電灯の灯りでパンタの上昇を確認する始末。当然パンタが上がる様子など写るはずもなく、その場で写真はゴミ箱行きとなってしまった。

 さて、意気揚々とカメラを取り出したはいいが、シャッター速度をどうしたものか全く見当が付かない。あまり速いと躍動感が出ないが、遅すぎてもパンタが溶けて「これは気動車ですか?」状態になってしまう。あれこれ迷った末に1/20秒で切ったが、結果は”速すぎ”でいまいちであった。


 大したカットではないが、リベンジするなら早いほうがいい。関東からの帰路、道志みち経由で国道1号を爆走し再び新金谷へやって来た。今日も駅に鎮座するズームカーを前に設定を練る。前の倍は見込んでシャッター速度は1/10秒くらいか。いやいやここはもう一声、1/8秒だ!

 低速シャッター故にブレを警戒してミラーアップでスタンバイ。ホームに現れた乗務員氏が丸ズームの肩にぶら下がる紐を引っ張ると、スルスルとパンタが上がる。レリーズのスイッチを一気に押し込み、すり板が架線にエンゲージする直前を捉えた。


 パン上げ。それはただの鉄の塊に息が吹き込まれ、電車へと変わる神聖な儀式。やはり好きな車両のパン上げは是非とも抑えておきたいシーンであると、改めてそう思った。

 でも、やっぱりバリ晴れカットに勝るものなし。早く晴れないかなぁ・・・。