2022/7/30 4075レ EF510-15 笹川流れ俯瞰
GFX50S GF45-100mmF4 R LM OIS WR
長かった梅雨も7月中旬を過ぎる頃には終りが見えてくる。梅雨が明ければ、季節はいよいよ夏だ。世間一般では夏のレジャーと言えば山か海というイメージだが、やはり暑い夏ならではの行楽という点で水遊びに軍配が上がるだろう。折しも梅雨明けを迎える頃には海の日を絡めた三連休だってある。
ところで、海の日はあくまでも海の恩恵に感謝する祝日であって、海開きの日では無いらしい。近所の海水浴場はちょうど海の日くらいにシーズンインするので日本全国そういうものだと思っていたのだが、どうやらこれは少し遅めのスケジュールのようだ。大抵は7月上旬くらいに営業開始となるが、九州ではなんと6月中に海開きを迎える場所もあるという。
その反面、北へ行けば行くほど海開きは遅くなる。そして海開き前線が自分の脳内シーズンである海の日とちょうどシンクロするのが新潟県から秋田県あたり。テツ的に言えば羽越本線の沿線である。
この日はすっかり梅雨も明けてGPVは色よい予報を出していた。行くか、羽越!
そうは言っても羽越本線はなかなか遠い。関西から高速を徹夜で走り続け、村上の市街地を抜ける頃にはすっかり夜が明けていた。どうせ本命の貨物が通過するまで時間はたっぷりある。欲を言えば一眠りしたいところだが、ところがどっこいそうは問屋が卸さない。お目当ての笹川流れの撮影地一体は海水浴場でもあり、海開きを迎えたこの時期は高額な駐車料金を払いたくない海水浴客の皆様が僅かな国道の路肩へ殺到してくるのだ。ここで駐車場所を確保できなければ、今度はこちらが高い駐車料金を払う羽目になる。それが嫌なら疲れた体に鞭打ってアクセルを踏み続けるのみだ。
無事に車を止めてから午前アングルの笹川流れ俯瞰に登ってみると、眼前にはこれぞ羽越の夏といった光景が広がっていた。爽やかな日本海、海岸ギリギリまで山が迫る険しい地形、クネクネした少し低規格な線形の単線!砂浜に広がる海水浴客も丁度いいアクセントだ。
新津のキハ健在なりし頃は横アンが定番だったが、長編成の貨物なら編成がうねる縦アンも面白かろう。海は少し狭くなるので痛し痒しだが、くっきり見える一文字の水平線に免じてカメラを縦に据え付けた。
E653のいなほを撮りつつ時間を潰していると、岬のトンネルを抜けてEF510がお出ましである。海岸に沿って緩やかにカーブしながら警笛一声、列車は国道345号との併走区間に躍り出る。機関車にレッドサンダーのロゴあり、国道には併走の車なし!願ってもない最高の条件に舌なめずりしながら、カメラのシャッターを押下する。V!
2024年、羽越本線は全通100周年の節目を迎えた。新潟支社は7月下旬に羽越線100周年記念号の運転を企画するなどイベントを仕込んでいたが、折悪しく東北地方を豪雨が襲ったためトケ。ここ数年は毎年のように台風や豪雨で寸断されている羽越本線とは言えこれではあまりに哀れなので、ささやかながらこの写真をもって自分からの餞としたい。