GFX50S GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
夜空が白み始めた頃、中央道を小淵沢のインターでアウト。南下する高速道路と別れを告げて北へと進路を定めると、八ヶ岳高原ラインの愛称を持つワインディングが姿を見せる。その名の通り八ヶ岳の麓を掠める快走路を走り抜けたらそこは避暑地として名高い野辺山である。しかしながら11月を迎えたこの時期に海抜1300mの標高はトゥー・マッチ。外気温計の数字に冷や汗をかきながら車を撮影地へ滑り込ませた。
やって来たのは野辺山のストレート。初夏の頃は小淵沢の大築堤に足を向けることが多いが、紅葉の季節は断然こちらである。台風による塩害で木々の色づきが全国的にイマイチという下馬評だったが、幸いにも見れる程度には紅葉してくれている。ボウズは回避できそうだと胸をなでおろしながら三脚を据えた。
八ヶ岳の盟主、赤岳を中央から僅かにオフセット。権現岳の特徴的なピークを構図の左端に配せば、右端には横岳が程よく収まった。非電化路線だけに編成長の読みが難しいが、八ヶ岳連峰の南半分を総ナメにするくらい広めにしておけば所定キハ2連のケツが切れることはなかろう...とヤケクソのセッティングである。
定時、高原のキャベツ畑の向こうに前照灯の輝きが灯る。かつての牧歌的なC56の走りとは違い、ハイパワーな機関を搭載したキハ110の速度は予想以上に速い。ちょっと目が追いつかないが、よく見るとなんだかキハが3連で走っているような気がする(汗)。おいおいおい、まさか残像じゃないだろうな...と慌てながらもとにかくシャッターを落とす。慌てて再生ボタンを押すと、意外にもベストなバランスで多客期増結の掛かったキハの姿が映し出されていた。とりあえずV!
次はもっと紅葉が綺麗な時に再履修しようと40万円もするGF110mmを仕込んでおいたのだが、今年は紅葉が全く話にならなくて小海線の撮影はトケ。地球温暖化のせいなのか「今年は紅葉がねぇ..」という会話が常態化しつつある昨今、いつになれば再履修の機会が来るのか不安で仕方がない。