2025/2/15 普通|電鉄富山 14760形
EOS-1DX3 EF200mmF2L IS USM
朝はEF510、昼もEF510と撮り歩いたからには夕方もEF510...といきたいところだが、現在は貨物のスジが無いのが富山でレッドサンダーを狙うときの泣き所。とは言えバリ晴れ激山なのに昼過ぎに早くも撤退というのは癪である。従って、4060レを撮ってから転戦できるまったり撮影地ということでいきおい地鉄の常願寺川橋梁へ足が向く。
真冬にも関わらず北陸各地に晴れマークが付いたこの日だが、常願寺川へ展開した午後3時には冬将軍の力が増して空に雲が増えてきた。北風も太陽もその実力は互角...というのはイソップ寓話『北風と太陽』の中だけの話で、現実の世界では北風こと冬将軍が常に勝つものと相場は決まっている。そうこうしている内に西の空はすっかり雲に覆われてしまい、空模様を伺うのもアホらしくなってきた。
しかし1枚も写真を撮らないで諦めていてはデンシャオタクの名が廃る。正攻法が無理なら搦め手で勝負だ。上から下まで雪化粧に余念がない厳冬期の劔岳を見ているとふと思いついた。雪が薄暮に映えて意外といけるのではないか?曇り故にブルーアワーとまではいかないだろうが、定常光がカットされてレベルの落ちた世界に灯る車窓の明かり、そして背景に聳える雪の劔...V!そう考えただけで体の中にデンシャパワーが満ちてきた。かつてNHK教育ではストレッチパワーが体内に満ちてくる全身黄色タイツ成人男性のことをストレッチマンと呼んでいたのであるから、今の自分のことはデンシャマンと呼んで差し支えなかろう。デンシャマン参上!!!
日中は毎時3本程度の運行だが、5時台は夕ラッシュ対応のためか6本まで本数が増える。微妙な露出の機微を捉えるにはお誂え向きだ。しかし待てども待てども来るのは煮ても焼いても食えない東急ばかり。かと言ってカボチャ色の京阪が来ても困るが、写欲をそそらないことこの上ない。ランボーならぬデンシャマン怒りの撮影地脱出の欲に駆られそうになるが、完全に夜の帳が下りる前にもう一本は撮れそうだ。もう少し我慢するか!
定時、長い長い常願寺川橋梁の向こうにヘッドライトの明かりが見えた。橋を渡りながら汽笛一声。この音は...東急じゃない!ファインダー内を横切る雷鳥色に胸を撫で下ろしながらシャッターを切った。でも流石にちょっと暗すぎだなぁ。