225D 普通|小諸 キハ110 2連 海ノ口俯瞰

小海線

 

2023/11/3 225D 普通|小諸 キハ110 2連

GFX50S GF45-100mmF4 R LM OIS WR


 大して広くはない県道から分岐して谷へと下っていく激細の枝道がぽっかりと口を開けている。スリムな我が愛車にとっては大した事ない道幅だが、工事用車両なんかは難儀しそうだぞ・・・。そんな事を考えながら千曲川の谷底まで下り切ると、海ノ口の発電所が姿を見せた。ここが小海線の名撮影地、海ノ口俯瞰へのアタック基地である。

 ボディはGFXに1DX3。レンズはGFマウントが2本、EOSは・・・1本でいいか。機材をカメラバッグに詰め込むと三脚を担いでいざ出陣。この撮影地、距離は大した事ないのだがアプローチがやや面倒なのだ。まずは鉄塔のある尾根を越え、その後は鞍部に沿ってトラバース。このあたりはハイキングの林間コースといった趣でのんびりと歩いていけるのだが、そうこうしているうちに見上げるような急坂に突き当たる。このピークへ直登した辺りが目的地だ。



 今年は紅葉がイマイチらしいんだよねと零しながら周囲を見渡すと、意外なほど周囲は秋めいた表情である。広葉樹は赤く染まり、カラマツもいい塩梅に黄色くなっている。ところどころに残る針葉樹の緑がいいアクセントだ。遠くにそびえる八ヶ岳連峰は残念ながら冠雪していないが、そこまで望むのは贅沢という物であろう。これは僥倖!6速の更に上、幻の7速に心のギアを叩き込みディーゼルパワー全開でゲバを据え付けた。

 かつてはトンネルを抜けた先のストレート、そして足元にある橋梁まであった”抜け”は木々の成長によって消滅してしまい、今や切り位置はトンネル坑口の一瞬だけ。EOSならシャッターボタンを押すだけだが、連写の効かないGFX50Sだとこんな場所でも真剣勝負になってしまう。

 定時、軽やかなエキゾーストノートを奏でてキハがオンステージ。短いストレートを抜けて今にもトンネルに入らんとする刹那、ここぞというところでGFXのシャッターを押し込んだ。



 秋の三連休は小海線へ紅葉狩りへ出かけるのがここ数年の恒例行事だった。シャープなシルエットを黄色に染めたカラマツとどこか国鉄型を思わせる雰囲気を纏うキハ110の組み合わせが関西圏の人間には新鮮であり魅力的であった。だかしかし如何せん今年は熊のリスクが大きすぎ、有名撮影地であろうと単身で山に入るのは躊躇われる。そういう訳で秋が深まる高原の鉄路へは足を運ばなかったのであるが、よもや被写体の消滅ではなく熊のせいで撮影に支障が出るとは夢にも思わなかった。どうか来年こそは心置きなく紅葉を楽しみたいものである。