3レ 普通|川根温泉笹間渡 南海21001F お茶ぼっこ俯瞰

大井川鐵道

 

2026/3/28 3レ 普通|川根温泉笹間渡 南海21001F
GFX100II GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR


 金谷の町から少し大井川沿いに北上した小さな平地にある集落、福用。その福用の駅を出発した大井川本線の下り列車は、駅の北側でS字カーブを描くと直ちに山間部へと突入する。航空写真を見てみると、福用の南北は尾根が張り出しており、大井川がクランク状に曲がりくねっている。蛇行する大井川のインカーブ側に位置する福用は川の土砂が堆積する位置になっており、これが山がちな地形にあって福用が数少ない開けた土地となっているカラクリであろう。
 右カーブに身を捩りながらトンネルへと突入した列車は、短い尾根を貫くとこんどは左にカーブした小高い築堤を進んでいく。ちょうど築堤が地面と同じ高さに並ぶ頃、進行方向右手側、大井川を望む車窓には桜並木が広がっているはずだ。ここが大井川本線の有名撮影地、通称”お茶ぼっこ俯瞰”である。


 3月末の週末、テツの友人たちと大井川へとお花見に繰り出した。お目当てはもちろんピカピカの姿で復帰した丸ズームである。ところがひと足早く満開を迎える家山の桜トンネルは満開のご宣託が出たものの、それ以外の各地はあまり開花状況が芳しくない。先行偵察のため早朝から沿線を流してみたが、使えそうなのは大和田周辺くらいのものだろう。狙うは午後の3列車、集合場所はお茶ぼっこ!そういうことになった。
 昨シーズン始まったブルトレもどきに加えて今シーズンからはパーシーも走っているため、様々な属性の同業者が入り乱れることを警戒したが、先客は僅かに1B。拍子抜けしながらゲバを据え付け構図を練る。かなりガスっぽい空は縦構図で大胆にカットし、沿線民家の影を抜くため電車はめいいっぱい引き付ける。手前にチラリと写るボケた新茶は好みが分かれるところだが、川根路の雰囲気を出すにはこれも一興だろう。


 三々五々に集まってきた友人と近況を交換するうちに、築堤の先に前照灯が見えてきた。山を抜けてきた湘南顔の17m車がモーター音を響かせて桜並木を駆ける瞬間、デンシャパワー全開でシャッターを押下する。V!
 ズームカーが桜咲く大和田の駅に滑り込む頃、我々も次の戦場へ転進を開始する。楽しい週末はまだ始まったばかりである。