3568H 普通|天王寺 103系HJ401編成 山中渓俯瞰

阪和線

 

2016/4/6 3568H 普通|天王寺 103系HJ401編成
EOS 7D EF70-200mm F4L IS USM


 JR西日本で227系顔の電車が大増殖中である。元を正せば521系3次車顔と言うべきであろうが、その521系も七尾線で運用される編成以外はもはや直流区間しか走らない訳で、そうなると実質227系であるからここでは227系顔ということにしたい。
 その227系顔の電車の本家0番代”Red Wing”が國鐵廣島近代化の尖兵として広島地区に送り込まれてから10年、シリーズで唯一愛称の無い奈良・和歌山地区向け1000番台を挟んで、500番台として岡山・備前地区向けの"Urara"及び山口地区向けの"Kizashi"が配備されつつある。岡山・山口の両地区は、中国地方で人口が最多である広島地区で持て余した車両が行き着く國鐵廣島の肥溜めのような場所であり、500番台の投入によりいよいよそのイメージが一新されることになるのだろう。


 そんな國鐵廣島のような路線がかつてアーバンネットワーク圏内に点在してした。その中でも、広島地区と同じく人口が多い割に国鉄型ばかりで有名だったのが阪和線のローカル運用である。デビュー直後の223系が投入されたこともあったが、使用される車両は専ら103系か205系1000番台。205系の配備はJR化後だが、基本的には国鉄が開発した車両なのだから国鉄型と言っても語弊はあるまい。つまり、普通列車の国鉄型率はだいたい100%だ。
 関空開業で223系や281系が登場して雰囲気はだいぶ変わったのだろうが、それでも特急の主力は381系、快速用の221系は奈良からの借り物・・・と普通列車以外も大概なところがあり、なんだか全体的にボロっちいイメージが当時の阪和線にはあった。いや、まあ、アーバンネットワーク全体がそんなものではあったのだが・・・。
 そんな阪和線だが、流石に近代化の手が入るのは國鐵廣島より早かった。まずは特急料金を払ってくださるお客様へご奉仕ということで、”くろしお”向け新型汎用特急287系が2012年春に、続いて去勢された683系こと289系が2015年秋に投入されて381系を淘汰。返す刀で225系5100番台が2016年春に登場し、同形式の充足により103系は阪和線から撤退。ここにスカイブルーの楽園は崩壊を迎えたのである。


 当時は大学生という身分で阪和線を使っていたこともあり同線の103系には馴染みがあったが、なにせ走っているのは人口密集地帯。真面目に撮ろうとすると撮影地にはなかなか苦慮するのである。朝ラッシュを田園区間で撮れる有名撮影地、旧上之郷踏切なんぞへ行こうものなら車を持たない当時は現マルするしかない。でも阪和線ごときで現マルねぇ・・・などと言ってるうちに、2016年の春を迎えてしまった。
 103系に残された時間はあと僅か。流石にこれには重い腰を上げざるを得ず、平日の朝イチで阪和線の下り列車に乗り込んだ。目指すは桜の名所、山中渓の駅を山中から俯瞰する撮影地である。正確な立ち位置は知らないが、とりあえず地図で目星を付けていた山へとアタックする。山中には明らかにテツ道などではない立派な踏み跡があり、歩きやすいのはいいのだが、これではどこで道を逸れればお立ち台に辿り着けるのかが皆目分からないではないか。
 列車の時間が迫る中、ええいままよと尾根の上に見える抜けを目指して直登すると、平日の朝っぱらから暇人の皆様が勢揃いされていた(笑)。茂る枝葉で閉ざされつつある狭い視界だが、満開を迎えた山中渓の桜並木を一望する眺めにデンシャパワー全開。雄ノ山峠を越えてきたスカイブルーの古豪に夢中になりながらシャッターを切った。


 阪和線の103系は、まず2016年に4連編成が撤退。翌2017年には6連編成も姿を消した。冒頭に掲載した写真のHJ401編成は、末期に残存していた103系の中では最も早い2016年6月に廃車された編成だ。振り返ってみれば色々と悔いはあるが、彼にとって最後の春を見送ることが出来ただけでも今となっては良き思い出である。今、岡山地区や山口地区で末期色の電車を追いかけておられる同業者諸兄には、これからの数年でデンシャとの思い出をたくさん作っていただきたい。ひと足先にデンシャとの離別を迎えた私の心からの忠言である。